その他流動資産の”その他”ってなに?

会計
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この記事では、「流動資産」の1項目である「その他流動資産」について解説します。

「流動資産」ってなに?という方は、こちらの記事を見てくださいね。

https://www.maru-study-blog.com/%e6%b5%81%e5%8b%95%e8%b3%87%e7%94%a3%e3%81%a3%e3%81%a6%e4%bd%95%e3%81%8c%e6%b5%81%e3%82%8c%e3%81%a6%e3%81%84%e3%82%8b%e3%81%ae%ef%bc%9f/

 

「その他流動資産」というぐらいですので、雑多な項目が含まれています。

「その他流動資産」に含まれるかどうかはその項目の重要性に依存します。基本的に金額が小さい項目について「その他流動資産」としてまとめて開示されます。

詳細は財務諸表等規則や会社法計算規則を確認することになりますが、経理部の方や公認会計士でない場合には、そこまで気にしなくてもOKです。

ここでは、押さえておきたい代表的な項目について説明します。

 

①前渡金(まえわたしきん、ぜんときん)

前渡金とは、商品などを受け取る前に手付金や内金として払うお金を仕訳する際に使う勘定科目のことです。

例えば、商品の仕入代金100万円の内、保証金的に事前に20万円支払う場合、この20万円が「前渡金」と言うことになります。

そして、実際に商品を仕入れた時点で前渡 金20万円は、商品の仕入代金100万円に充当されることになります。

 

(仕訳例:商品の仕入代金100万円の内、保証金的に事前に20万円支払う場合)

前渡金 20万円  / 現預金 20万円

 

(仕訳例:商品(100万円)を仕入れた。その際、事前に支払った20万円を支払い代金に充当した)

仕入  100万円  / 現預金 80万円
_                                 / 前渡金 20万円

 

②未収入金(みしゅうにゅうきん)

商品や製品以外のものを売却などした場合に、その代金を後から受け取るときに使う勘定科目です。

本業の売上となる商品や製品の代金を後から受け取る場合には、「売掛金(うりかけきん)」を使います。

具体例として、車両や備品などの固定資産を売却した場合が挙げられます。

 

(仕訳例:2020年5月に備品10万円をA社に12万円で売却し、代金は2020年12月に受け取ることにした。)

■2020年5月の仕訳

未収入金  12万円  / 備品      10万円
_                                      / 固定資産売却益  2万円

■2020年12月の仕訳

現預金  12万円   / 未収入金    12万円

 

③前払費用(まえばらいひよう)

前払費用とは、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、いまだ提供されていない役務に対し支払われた対価の部分を言います。

これだけ言っても「は?」という感じだと思いますので、保険を例にとって考えてみましょう。

例:2020年12月1日に1年分の火災保険料を1,200万円払った。

火災保険料を支払ったのは決算期末から4ヶ月前のことです。そして保険契約ですので1年間に渡って「継続して」保障という役務の提供を受けることになります。

そのため、各場面での仕訳は以下の通りになります。

■2020年12月1日の仕訳

火災保険料  1,200万円  / 現預金      1,200万円

 

■2021年3月31日の仕訳

前払費用   800万円    / 火災保険料      800万円

 

④仮払金(かりばらいきん)

取引や営業活動で要する可能性のある金銭を支給したときに、経理上で処理するときに用いる勘定科目です。

用途用量が不明な金銭の支出を管理するために用います。決算時には「仮払金」が「0」であることが理想です。

 

仮払いの例

・買い出しにかかった費用

・概算払いの出張費(旅費、交通費)

 

⑤立替金(たてかえきん)

取引先や役員、従業員などが支払うべき金銭を、会社や事業主が一時的に立て替えた場合に、経理上で処理するときに用いる勘定科目です。

 

立替金の例

・役員や従業員の私的費用の支払

・取引先が負担すべき手数料

 

 

 

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