この記事では、「流動資産」の1項目である「現金および現金同等物」について解説します。
「流動資産」ってなに?という方は、こちらの記事を見てくださいね。
実際の決算書を見ると、「現金及び現金同等物」として貸借対照表に開示されています。
これは、現金と預金と思っていただいてほぼ問題ないです。
(実際にはコマーシャルペーパーや売戻し条件付現先、公社債投資信託も含まれますが、一般企業の実務ではあまり登場しないので省略します)
預金にはいろいろ種類がありますので、以下では預金について解説します。
①当座預金
手形や小切手の支払いに使われる預金のことで、 法律(臨時金利調整法)により利息を付けることが禁じられています。
1日の限度額にも制限がないので、多額の取引を行う場合には、非常に使い勝手が良いと言えます。
当座預金は「決済用預金」に該当するため、万一銀行が破綻しても預金保険制度によって、利息がつく預金とは別に全額保護されます。
「不渡り」(銀行口座の残高が不足し、決済できなかったということ)を2回出すと、銀行との取引ができなくなり、事実上の倒産となります。
(2回不渡りを出すと、銀行との取引ができなくなるというルールがあるので)
開設するためには、金融機関の審査をクリアしなくてはならず、個人の場合は難しいことがあります。
当座預金を所持していることで信用のおける企業という印象を与えることもできます。
②普通預金
個人・法人を問わず開設することができ、給与受け取りや決済口座として使われています。
ペイオフ制度(金融機関が経営破綻した場合に、預金保険機構によって預金者への払い戻しを保証する制度)により、金融機関が破綻した時に1000万円までしか保護されない場合があります。
③定期預金
前もって銀行へ預け入れた金額を一定期間引き出すことができない預金のことです。
各銀行により預け入れ期間が設定されており、多くの場合1か月~10年ほどです。
銀行によっては預け入れが数日という商品もあります。
④通知預金
資金を短期間だけ預けるときに利用される預金のことです。
引出しは、通常、預入後最低7日間は据置く必要がありますが、引出すときには少なくとも2日前には通知することになっています。
払出しは、原則として解約時に一括して払戻します。用途としては、近い将来にその資金を引出すことが決まっていて、その時期まで資金を運用したいときに使います。
企業が土地代金や売上代金などまとまった資金を、運用期間が決まるまでしばらくの間だけ預けておくときに使うことがあります。
⑤別段預金
銀行業務に該当しない預金を受入れた際に、一時的にお金を保管しておくための便宜上の預金のことです。
たとえば、株式払込金、歳入金、寄付金、内国為替の送金資金などの、他の預金科目での取り扱いが適当でないものは、別段預金として処理されます。
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